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2006年11月17日 (金)

産みの苦しみ 1

様々な事情があって、工房を移転しなければなりません。

これも分けあって、親父殿から離れ、紺邑をはじめたのが、2000年の晩夏でありました。

今の工房で思い出すのは、熊本のゴザ屋の大将がいらした時。
2001年2月の初め。親父殿の通夜の日でした。
車で駅まで迎えに行き、荒れた庭に車を入れ、降りられて建物を見て、しばし呆然。
そしておもむろに、「これが宮崎に建っていれば、たった1回の台風でなくなるな!」とおっしゃった。
それ程の廃屋でありました。

この家の六畳ほどの風呂場と、やはり六畳ほどの台所をお借りして、紺邑は始りました。
風呂場には木の風呂桶があり、幸いなことに、井戸のポンプが生きていて、その風呂桶に、井戸水を使って藍を建てました。
これを、「正藍冷染」というのだそうです。
季節は晩夏。まだ暖かかった。
しかし、「冷染(ひやしぞめ)」というくらいで、この染め方では、冬は越せません。
加温の方法に苦労させられました。

2006_12270044 染め場と台所は北側にある。足利ほどでないにしろ、北風が吹く。
壁と天井の間全てが、5~10センチほど隙間があって、夏は良いが、冬はすきま風が入って寒いこと寒いこと。
それを全部タオルで塞ぎ、その内に、窓が壊れてはずれ、そこを材木で塞ぎ、材木に空いている穴をガムテープで塞いで、冬を迎えました。この姿は、今でもかわりません。

家内と二人だけで始めましたので、縫製などの外注も自分で回らなければならない。
そのために、染め始めるのが午後の3時頃になるのは、当たり前でした。
昼間は良いですが、日が暮れるとだんだん寒くなる。
ストーブ三台を全開にし、大きな精練用の鍋にお湯を沸かしても、冷えるばかり。
夜の12時頃まで、寒さに震えながら、染めておりました。

それでも夢中で仕事をした。
良いこともある。
今まで思うようにならなかったことが、何でも出来るようになり、自分の染めが出来るようになった。
親父殿にも先輩にも、遠慮が要りませんからね。
何を変えたかというと、藍の建て方、染め方、洗い方、全てです。
最初に気付き、驚いてくれたのが、女房殿でありました。

染めた布は、自宅に持ち帰ります。
そこで、乾かし、仕上げる。
家の中で干した布の色合いが、今までと全く違う、初めて見る色だったし、仕上がりも違う。
「何これ!すごいね!」と言ってくれたのです。
染めて帰る度に、「きれい」といってくれた。
何十年も藍染に付き合い、色の全てを一番知っているのが、我が女房殿ですから、それが、励みになって、今があるのですね。
感謝です。

Photo_21
解り難いでしょうが、左奥にあるのが、木桶の染め樽です。
ここだけで染め始めました。

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