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2007年1月11日 (木)

紺屋の明後日(あさって)

「紺屋の明後日(あさって)」という言葉があります。 

明日納めるべき染め物が、明後日になるということで、納期を守るのが難しい商売だと云うことでしょう。
 
鍛冶屋も「夕べ鍛冶屋」とか云って、朝納めるべき物が、夕方になるなんて云う言葉があるらしい。

 

これには様々な理由が考えられます。

先ずは、天気が悪ければ、染め物が乾きません。

藍の調子が悪ければ、染めることも出来ません。

特に寒さには弱いですから、冬場は大変だ。

注文がたまりにたまってくると、結局、納期に納められなくなる。
 

 

昔の人は、手仕事に対して、そういうことを常識で知っていたから、寛容でした。

今はそうはいきません。

百貨店なんか、やんやの催促と確認をしてくる。

 

ある紺屋さんに、百貨店が暖簾の注文を出した。

もちろん、お客様のです。

生地も添えての注文だった。

それが三年経っても出来てこない。

さすがにお客様もしびれを切らして、百貨店に催促にいらした。

百貨店もその紺屋さんに催促をする。

そうしたら紺屋さん、「なんだ、急ぎか。それじゃぁ出来ないよ」と、生地を返してよこしたらしい。

 

ある寿司屋が、ある紺屋さんに暖簾を頼んだ。

それが七年経っても出来てこない。

「どうなったでしょうか」とお伺いをしたら、「急ぎならやらないよ!」って怒られた。

その寿司屋が私に「怖かったですねぇ」と言った。

 

なんともうらやましいようなお話です。

この間、船橋で他の職人と話をしましたが、昔の良い仕事に出会うと、出来ないとは思わない。

しかし、作る時間がないという。

私も、染めだけならそんなことはありませんが、柄だしなんかには、そう感じることがある。

今は便利にはなりましたし、長生きもするが、時間に関してはその分、薄くなっているのではないかと考えたりもします。
 

しかし、奈良の東大寺の大仏は、短い限られた時間で作り上げられた物らしい。

 

世の中はやはり、答えがありません。

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コメント

 数年前に、簡単だけど面倒臭いご注文を3年掛かって年末ギリギリにお届けいたしました。お先様は齢七十をとうに過ぎたお年頃。
仕事振りは気に入って頂いたようで、先生から版画で刻した年賀状をお礼に頂きました。
「芸術は永し、されど人生は短し。」

父親からの伝え聞き、「晩まで鍛冶の明後日紺屋」「鍛冶屋の晩まで、紺屋の明後日」
期限に対する責任感の無い適当な返事ぶり、それを聞き流す世間のこなれ具合を表す言葉と教わりました。
 鍛冶屋の場合は鍬の修理を請合うときの決まり文句。今でも口をついて出る事がしばしば。「来週早々には・・。」なんてね。

 そうか!「晩まで」だったね。どうも私はこれを覚えられない。意味もなるほどだな。
 私も数年前、半年の約束で、白無地の結城の後染めを頼まれた。そもそも、白無地の結城なんて云うのも変だが、結城のように目の詰まった織りの後染めは、藍染には合わない。
 結局、一年掛かったのだが、染め上がりは驚くような色合いになった。先様も喜んでくださったが、思い出したよ。
 
 書き込みをありがとう。

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