藍染めと気候と歴史と
ようやく帰って参りました。
ここは北関東ですから、1月2月は寒いはず。
ところが、空っ風も吹かないそうで、暖かくてコートが邪魔になるほどです。
藍を建て始めましたが、今年は楽ですね。
藍染めは、「日本の気候風土に合わない」と私が言いますと、「え?」というお客様が多い。
これは職人の実感というものです。
「暖かい国の文化ですからね」と言うと、これまた「え?」という。
これは、歴史的にそうだな。
私は藍染めの研究家ではないし、科学者でもないし、歴史家でもないから勘で申し上げると、藍染めが渡来した頃の日本は、今よりも暖かかったのではないでしょうかね。
藍が私にそう語りかけてくる。
気候の変化に従って、日本人は知恵を発揮し、すくもを作る今の形になったのではないかと推測しております。
10年程前、博多に参りました。
そこで実演しておりましたら、日本人の男性がイラン人を連れてきて、得意そうに藍染めの話と日本文化の話をなさる。
イラン人はそれをニコニコしながら聞いているし、私も聞くだけ聞いた。
話が終わった頃合いを見て、「お客様。藍染めはこちらのお国の方が、余程古い歴史をお持ちだと思いますよ」というと、そのイラン人は深く頷いていらっしゃいましたね。
いつから藍染めは、日本固有の文化になってしまったのでしょうかね。
東急東横で、曲げわっぱの世界でただ一人、漆の塗りで伝統工芸士であらせられる性(せい)ちゃんの妹さんが、ご主人のイラン人を連れてお見えになった。
彼は絨毯のお仕事をしている。
そこで、青色の話で盛り上がり、妹さんもびっくりしていた。
悩みも歴史も、シルクロードによって、共通する物が運ばれてきているようです。
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