ヒバ細工
ヒバ細工を青森でしている、「工房なるみ」の鳴海君です。
私より10歳以上若い、36年生まれの典型的なB型人間。
見かけによらず苦労人で、私と同じようなことを、この若さで既に経験済み。
それが顔と態度に出ないのは、私と同じです。
だから、誤解されやすいが、面倒見の良い、気の良い男でもあります。
付き合いは古く、昔、「京都と小京都展」という催物がありまして、まだ職人展などない頃からなのです。
元々建具屋の息子ですが、木工を基礎からしっかり学び、実家を離れても、苦労をしながら物づくりに励んできた。
ヒバとの出会いが、彼に幸いしたのでしょう。
作り手は彼一人ですから、催事に出っぱなしと言うわけにはいきませんので、販売の手伝いを、独立したときに助けてくれた人にやって貰っている。
この人を、彼は「従業員」と読んでいますが、年上なんです。
そういう人と一緒にやれるところが、この男の性格を表しております。
長男ではないが、親方気質を持っているのですね。
私が小森さんに、「同じ所に出展するときは、三割新作を入れろ」と言われたように、この男も常に新作を考えながら、試行錯誤を繰り返していますが、また、定番商品の開発にも成功している。
それが、鎌田名人親子というところが、面白い。
長い時間をかけて頼み込んだらしい。
何故他人に頼むかと言えば、自分の大好きな素材を、最高の人に作ってもらいたいという、ヒバに対する、彼の思い入れがあるからでしょうね。
彼の話は、ヒバのことばかりです。
販路の開発能力、つまり営業力もあり、叩き上げだし、独立独歩なところもありますので、多を頼む人や、企画する人には、付き合いづらく、使いにくい面もあるかもしれませんが、彼としては「やるべき事をやり、生きているのだ!」ってなものでしょう。
東北人らしいねばり強さを持つ職人の、典型のような男です。
時折やりすぎることがあるので、私に説教されることもありますが、古い付き合いだし、年上だから勘弁な。
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