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2007年2月19日 (月)

刳物

 日本の刳物を代表する職人、横畠文夫さん。
 
Photo_66ところで、「刳物」を読める人がどれ程いるだろうか。

少なくとも私は、恥ずかしながら、横畠さんに教わらなければ読めなかった。これは、「くりもの」と読む。

「刳る」とは、刃物などで木をえぐって穴を掘ることをいい、それによって出来た道具が「刳物」。

 

Photo_67
えらそうに言ったところで、写真を見ればお分かりのように、いわゆる「お玉」などのことです。

 

 

 横畠さんは、広島県県郡戸河内町という、本当の田舎で生まれ育った。そこの特産が刳物だったわけです。

 「安芸の宮島のお玉」として流通していたから、刳物を生業としている家は沢山あった。

 昭和27年、中学校卒業後直ぐに、お父様に弟子入りしてこの道に入った。ですから「この道ひとすじ、55年」だ。

 それが、金物のお玉が入って来て廃れてしまい、数十年前に既に、横畠さん一人を残すのみとなってしまっていたのです。
 

 そんな横畠さんを、めざといテレビが放って置く訳がなく、それが全国放送で流された。それを見ていたのが、東京の武田さんという方でした。

 彼は、我々職人と民・工芸の救い主とも言うべき人で、今の職人展があるのは、彼の大功績です。

 この方のことを書くと言うことは、職人としては大変な事だ。

 いつか気合いを込めて書かなければならない時も来るかもしれませんが、今はまだまだ、そんな時期ではありません。

 実は、我が親父殿も取り上げて貰った一人でもあるのです。

 
 武田さんは、横畠さんとその仕事を世に紹介しようと思ったのでしょう。東京から、百貨店のバイヤーを連れて、戸河内までいらした。そして、東京日本橋高島屋の「伝統展」に出るように説得なさったのです。

 ところが横畠さんは、東京に行ったことは一度だけ。それも汽車でだ。

 そんなところに行きたくもないから当然お断りした。

 しかし、そこは武田さん、情熱で口説き落としてしまいました。

 

 渋々ながらも東京に行くことを承諾した横畠さんですが、それまで新幹線に乗ったことがないし、東京に着いたところで右も左も分らない。

 「東京駅についてホームに降りたら、そこから一歩も動かないで待っていてくれ」と武田さん。

 そうしてようやく、日本橋高島屋の「伝統展」に出展出来たという伝説のようなお話は、業界の古い人のよく知るところです。

 私がお会いしたのも、その頃だ。かれこれ二十年近くも経とうとしておりますね。

 それからは、全国の百貨店に出展なさり、今はもう、飛行機にも乗れるようにさへなった。

Photo_68  先に、お客様との切磋琢磨のお話を致しましたが、横畠さんのお仕事には、それがしっかり生かされております。

 全国津々浦々でお会いする方々の要望が、民芸を現代によみがえらせたのですね。

 写真は、そうして生まれた作品の数々です。

 

 そしてついに、横畠さんたった一人しかいなかった職人が、奥様も、娘婿もするようになった。

 そこでパンフレットが、こう書かれるようになったのです。
 
かって原生林で
うっそうと繁っていた中国山地。
その中に育った戸河内刳物。
まず、木を熟知することから始る。
年輪という暦をよむ、
ナタで割る(木工の原点・割木木工)
この工程で作品の美しさ強さが決まる。
四十八年前この道に入った時、
四十人もいた職人は現在、我が親子だけ。
二百年続いた伝統の技術を残さんがため、
「お客様の要望から」
「女職人の目から」
「若者の創造から」の作品
お楽しみいただければ幸いです。

Photo_70 写真は、女職人の奥様とのツーショット。

 最初に取った写真が、奥様には気に入らなかったので、取り直しの一枚。

 「これなら女優と俳優みたいでとても良い」と奥様はおっしゃるから、「俳優はともかく、女優は確かですね」と気を遣っておきました。

 いやいや本当に、あんな田舎の方とは思われませんでしょ。

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