萬古焼
萬古焼(ばんこやき)の市川寿山先生。 この場合の「先生」は、愛称とも言うべきもので、我々の仲間も皆、先生と呼び、慕われている方です。
お祖父様から始められ、現在お父様とお兄様とご自身の、三人の伝統工芸師が、伝統を守っていらっしゃる。
萬古焼は三重県四日市で焼かれる陶磁器で、その名には「変わらずに永遠に残っていくように」という願いがこもっている。
作品は、陶壁などの大作もありますが、基本的には急須で、その蓋は吸い付くようで、あつかっているだけで気持ちがよいものです。
その色も、茶渋がつくことによって変化し、えもいわれぬ味わいを醸し出す。
遠赤外線の効果で、水もお酒も美味しくなる。
吸水性が全くなくなるまで焼締める炻器(せっき)ですが、そのためには、粘土から石や砂を全て取り除くのですが、その土作りがたいへんらしい。
その努力があってこその、萬古焼なのでしょう。
市川先生の作品の特長は、しゃれっ気かな。
ぐい呑みの中の魚達など。
鬼やら狸やら犬やらじいさんばあさんやら何やら。
その作風は実に温かく、人柄がにじみ出ています。
月に一度か二度、毎年恒例の所にしか出展しませんから、ご存じない方の方が多いでしょうね。
東京近郊では、京王と上野松坂屋の職人展だけ。
京王は5月で既に終わり、松坂屋はこの10月に出展の予定です。
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