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2007年8月26日 (日)

竹細工

斎木竹細工店店主の斎木さん。

2007_0826宇都宮の栃木県庁前に百年以上前から店を構えている。
作るのは素朴な籠や笊(ざる)が主ですが、有名なのは「鬼降ろし」です。 
醗酵の権威の農大小泉教授も、斉木さんの店を訪れています。

2007_0826_2 写真をよくご覧になっていただきたい。

お客様に背を向けて、謂わば壁に向かって実演をしている。

「そりゃー変でしょう」と言うと、「そんなこと言ったって狭ん(せめん)だからしょうがなかっぺよ」とおっしゃる生粋の宇都宮人で、バリバリの栃木弁の使い手。

私でも時折、何をしゃべっているのか分からない時がある。

ご主人は体格が良いのですが健康そのもので、奥様はほっそりとしているのに、なんと糖尿の気があるという、変な夫婦です。

お召しになっているシャツは、我が親父殿の工房の藍染で、二人ともそれが大好きだな。
奥様のジャケットは、親父の形見です。

昔は催事に出ていましたが、今は出ません。
出るのは宇都宮東武百貨店の「福島・栃木物産展」と、ここ船橋の「栃木・福島の観光と物産展」の二つだけ。
後は誰がなんと言おうと出店しない。
何故出ないかというと、「そう決めたから」という頑固者です。

去年は、池袋東武の催事担当者が、わざわざ挨拶に来て、催事に出てくれと頼んだ。
斎木さんは、「出ないと決めたから出ないよ」と言って簡単に断ってしまいました。

昔は催事に出ていたと言っても、宇都宮から通えるところだけ。
日本橋高島屋や銀座三越なんかも宇都宮から通っていましたから。
それも新幹線を使わずに在来線の鈍行というから変でしょう。

昔から偏屈で頑固者で、日本橋高島屋には年に二回出ていたのですが、それを三回にしてくれと頼まれた斎木さん、「嫌だよ」と断っちまった。
担当者は、天下の日本橋高島屋の仕事を、それも出展回数を増やしてくれと頼んでいるのに簡単に断る人に出会って、「え!断るんですか!?」と信じられない風。
「そりゃーあんたんとこだって選ぶ権利があるっぺけっどもよぉ、俺らにだってあるんだぜ」と斎木さん。

それ以来、日本橋高島屋にも出ていません、って、雄山さんみたいですが、私は別に日本橋高島屋に含みがあるわけではありませんよ。たまたま同じ話題になっただけですからね。
 

2007_08263 鬼降ろしと言えば斎木さんですが、市販されているものは、「斎木」の銘を焼いていない奴か、真似をしているものです。

何が違うかと言えば、おろした大根の味だと使う人は言います。

 

 


この人の作る竹細工はとにかく丈夫。
斎木さんの籠を持って釣りに行く人は、籠を椅子代わりに遣う。
下手すれば踏み台になると言う丈夫さです。
何で丈夫に作るかというと、性分のなせる技でね。

これはどうしようもないことだな。

当然、竹細工と言っても、高江さんのそれとは比較できようもない。
私は、どちらも好きです。

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