三者の喜び
宇都宮の懇親会に出席してきました。
もちろん船橋から行ったわけですが、便利になりましたねぇ。
船橋駅からJR総武線快速で東京駅まで25分足らず。
そこから新幹線を利用すれば、宇都宮まで50分で、乗り換えを入れても1時間半で行ってしまう。
5時半の電車に乗って7時ちょっと過ぎには、宇都宮の売り場に立っていました。
宇都宮の職人展は、最初から百貨店主催の懇親会をしてもらっています。
これがまた、条件の一つでもありました。
当時の鈴木次長にプレゼンテーションしたとき、私は「三者の喜び」という事を語らせていただいた。
つまり、お客様、百貨店、出展者の三者が喜ぶことをしましょうと言うことです。
その為に、私たち出展者が、旅費交通費滞在費などの諸経費を自己負担する。
そこで余った経費を、百貨店側には集客と販売環境作りに力を入れてもらう。
その結果集まったお客様には、少しでも安く良い品を提供し、結果売り上げが伸びればみんなが喜ぶ。
そういう催事をしましょうと言う提案でありました。
三月にプレゼンし、六月に実施する旨の返事を頂いた。
その時一つだけ条件を出したのが、懇親会を百貨店側でやってもらいたいと言うこと。
それを律儀に守っていただいていると言うことなのです。
さて、「三者の喜び」について、百貨店がどう行動しているか、つまり、集客と販売環境作りをどうしているかは、少々疑問がある。
東武宇都宮百貨店のホームページには、「職人の技展」がなく、「大江戸うまいもの展」のみ出ている。
ポスターチラシの扱いも同様だ。
ではどちらが条件が良いかと言えば、そんなことは分かり切っていることで、またどちらが利益率がよいかと言えば、これまた分かり切っていることなのですね。
何故そんなばかばかしいことを百貨店がするかと言えば、我々工芸の職人側が大人しく、使いやすいからです。
「一事が万事」と言うが、職人展が、また大きく言えば百貨店経営が曲がり角にあるとすれば、こういう事の改善が求められているのでしょう。
では、職人が何をすればよいかというと、結局は何も出来やしません。
我々の本分は物づくりですからね。
私は多分、やろうと思えば出来ると思う。
でも、そのエネルギーはありません。
そこに、企画会社の存在意義があるし仕事があるし、ブラシ屋の旦那はそれを体現しつつあると、私は大きな評価をしております。
では他の企画会社はどうかと言えば、これには疑問符を付けざるを得ません。
いや、逆に我々の足を引っ張る存在すらある。
足を引っ張っている企画会社には存在意義も理由もない、ただのお金儲けだけが目的のように、私には見えるのですね。
二宮尊徳は「分度」「推譲」と言いました。
「至誠」「勤労」とも「自助努力」「自立更正」「自他両善」ともいう。
人も企業も、働く理由、存在の理由、そして心と社会貢献なくしてなにがあるのかと問いたいところです。
それどころか、我々の足を引っ張ると言うことは何事かともね。
しかし、それだから何をしようと言うことも私にはありません。
これまた多分、しようと思えば出来るかもしれないが、そのエネルギーがない。
しかし尊徳は、「積小為大(せきしょういだい)」ともいう。
つまり、小さな事の積み重ねが大を為すのだと。
それなら出来るし、今もし続けているつもりなのです。
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