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2008年5月31日 (土)

組木細工

神奈川県を代表する伝統工芸の「箱根細工」には、寄木細工と組木細工とあります。

お馴染みの秘密箱は、双方の応用の様です。

さて、それを代表する職人、山中成夫氏。

001_2 山中組木工房四代目。

箱根細工の重鎮。

神奈川県卓越技能保持者で唯一の小田原市指定重要文化財保持者。

長年鍛えた身体は、鋼鉄のよう。

その太い腕と指で、まことに繊細な仕事をなさいます。
 

002_2 木をカンナで削りますと、削った木はクヅになりますね。

寄木細工では、様々な木を寄せ合わせて文様を作り、一枚の板にします。

それをカンナで薄く削った物を化粧材として使い、あの独特の箱根細工になるわけで、カンナの削りクズが重要な存在となるわけです。

ですから寄木細工では、クヅとは言わず、削りクヅを「ヅク」と呼びます。

山中さんが手に持っているのが、「ヅク」です。

 

山中さんは組木が得意ですから、秘密箱も「54回+1回開き 隠し部屋付き」なんて言うのを考案した。

これが大当たりで制作に忙しく、催事には滅多に出て参りません。

 

ところが五代目の忠明が、「72回開き 隠し部屋付き」を考案したものだから、益々忙しくなってしまった。

これが滅多に手に入らないし、今回の売り場にも、一箱も置いてありませんし、インターネットでも売り切れだ。

五代目はものすごくまじめな男。

デザイン力にも優れている。
 

007_2 山中さんが手を添えているのは、忠明が作った秘密箱です。

従来の秘密箱のデザインも形も変えた、画期的なもので、「72回開き」とともに評判となり、問屋からの注文だけで、来年の半ば頃まで休む暇が無いと、山中さんはこぼします。

「おめーよぉー、まじめな息子を持つと親父は大変だよぉー。

この間の連休だって、休んだのは日曜日だけだぜ。

お陰で親父のこの俺も、休めねんだよぉ!」と、小田原弁で嘆きますが、それがうれしそうだ。

「おめぇー、パソコンに書くだら、息子の作品を紹介してくれや」と言った時のポーズがこれです。

 

「あいつはタバコも止めちまった」と自慢話は続きまして、「今、酒も止めようとしているぜ」なんていう。

「そういやぁー、あいつに酒を教えたのはおめぇーじゃねぇか」なんて私に八つ当たり。
 
身に覚えがありますので、反論のしようがありません。

 

忠明はホームページで、「デザインを優先するのか、パズルを優先するのか、試行錯誤の毎日ですが、『新しい時代を感じさせる箱根組木細工にチャレンジする心をいつまでも忘れず』を座右の銘として、日々精進しています」と書いている。

 

デザインに関しては真にすばらしい才能を発揮しておりますね。
 
パズルは、山中家伝統の物。
 
これが五代目の課題でありました。

 
003_2_2 ビニールが掛かっていますので見づらいかも知れませんが、ロボットの組木細工です。
 
「面白いですね」と私が言うと、「おうよ!こりゃー忠明が作ったもんでな、またこれが評判になっちまってよ。

あそこで売れてあそこで売れて、残りはこれ一体だけになっちまってな、これも実はあそこに持ってきてくれと言われているんで、売れちゃー困るんだけんどよぉー、飾っているのさ」とまたまた、困った風に自慢話をなさる。

忠明には久しく会っていませんが、良く成長しました。
たいしたもんだ!

 

 

山中さんは十数年前、還暦を迎えると、社長の座を五代目に譲ってしまった。
 
自分がいなくなった後を無事過ごせるように、社長業の苦労をさせようと言うことだったのでしょう。
 
それを機に、私は「隠居」と呼ぶことにした。 
 
水戸黄門に擬えて、格さんが私、助さんが大森君としました。

 

隠居の唯一の楽しみはゴルフ。

四十を過ぎてから始めたためか、今でも夢中。
 
シングルハンデの腕前で、業界随一でしょう。
 
ゴルフが旨くなるためにウォーキングを欠かさず、筋トレも欠かさないから、唯でさえ頑丈が身体が、老年になっても変わりません。
 
もちろん、酒もタバコもやらない。

 

随分前、私と大森が、ここ浜松で隠居とゴルフをした。
 
止せばよいのに、ホールインワンをしてしまったのです。
 
もちろん、隠居が。
 
景品のテレビ何ぞを貰って、喜んで帰った。

 

隠居の友達で、それも畏友とも言うべき存在が大森君の御尊父。
 
その人が、「おめぇーよ」と、隠居が私に語りかけるように隠居に言った。
 
「ホールインワンをして、お祝いをしねぇー訳にはいかねぇーだろ!」ってね。

 

隠居としては思い切りよく、伊豆の温泉付きで私と大森を招待してくれた。
 
三人では寂しいから、ブラシ屋の旦那・平野さんを加えて四人でゴルフ。
 
帰りはなんと鰻をごちそうになると言う、隠居としては一世一代の大盤振る舞い。
 
いまでも会うと、この話が出る。

 

先日、ホールインワンをしそうになった。
 
その時隠居はボールに向かって、「入るなぁー、入るなぁー!」と叫んでいたそうです。

 

私が紺邑を立ち上げたとき、遠く小田原で心配してくれて、へそくりを私のために提供してくれそうになった。
 
相当な金額です。
 
気持ちだけでもありがたいことですが、そのへそくりは今、五代目に行っているそうな。
 
これも、親父としてめでたい!

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コメント

大川さん、こんにちは。

おやっ、と思ってみてみたら武田さんからいただいた知恵木が山中さんのものでした。

この前、山さんがようやく攻略しました。

7月だけまた日本に帰ります~。

risa君には、遠くドイツからコメントありがとう。

山中さんは知恵木やパズルが大好きなのさ。

この間は考えすぎて、自分が解けなくなっちゃった。

7月はお帰りだそうで、またお立ち寄り下さい。

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