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2008年9月 1日 (月)

鎚起銅器

島倉政之君39歳
 
Dscf1780_2 この路ひとすじ、この年で20年。
 まじめを絵に描いたような、この世界では珍しい人間、のように見える。

 新潟の燕市に、島倉堂はあります。
 燕市は、洋食器の産地として有名です。


   
 銅器を叩く技法は、いわゆる「鍛金(たんきん)」と私は覚えておりましたが、その技術が、燕市で作られる銅器に生かされ、「鎚起銅器」という名称になるようです。

 経済産業大臣指定伝統的工芸品。つまり、組合があり、産業として成り立っている伝統工芸というわけです。

 「鎚起」というのは、「槌(つち)」で「起(おこ)」すの意で、銅板を、焼なましを繰り返しながら金槌で鍛え上げ、成形する鍛金技術だと、島倉堂のパンフレットには書いてあります。

 行程は、板取り→なまし→成形→模様打ち→着色→仕上げとあるようですが、どうも、その一つ一つに様々な技術と意味があるらしい。

 銅を一通り叩くと硬化する。
 それを火炉に入れて650度位に熱すると、組織が変化し軟らかくなる。
 軟らかくなった金肌をさらに金鎚で叩き、形状が完成するまで、打ち絞りと焼き鈍しを数十回繰り返す。

 物の本による説明ですが、どんな工芸にも言えることですが、手間は掛かりますね。

 さて、島倉君の作業を見ていると、如何にも簡単そうに見える。
 そこでかどうか、私にやってみろというので、やってみた。
 
Dscf1785_2 驚いたことに、島倉君がやると、きれいなぶつぶつが出来るのに、私がやると、なんにも形にならないどころか、平べったく凹んで行くだけだ。

 笑っちゃうくらい、なんにも出来ませんでした。

 「直しますから大丈夫ですよ」と言われましたが、これまた私がメチャメチャにした銅器の表面を、簡単に直してしまうところが、さすがに職人。

 作っている物は、急須、建水、湯沸・水注、茶筒・茶壺、急須台・茶箕、茶托、カップ・盃・酒入れ、ポット、などなど、多種多様の銅器があります。

 さて、銅器が何故この世の中にあるのか!?

 先ずは、その熱伝導の良さ。
 アルミの2倍、鉄の5倍、ステンレスの25倍だと言いますから、お湯も直ぐに沸き、熱が容器全体に均一に伝わりますから、料理が美味しく仕上がる。
 なるほど、プロの料理人が使うわけですね。
 また、冷たい飲み物も、口当たりや手に伝わる清涼感が格別なのだそうな。

 耐久性にも優れている。
 それは、数千年前の貨幣や銅器が腐食せずに現存していることで、証明されております。
 そして、段々良くなる。
 
Dscf1782_2 後列右側が13年目の急須。
 中央が、14年目の急須。
 一番左が、43年目の茶筒ですが、使い込めば使い込むほど、味わいが深くなって行くようです。

 
 殺菌作用に優れている。
 これによって水は浄化され、花瓶は花を長持ちさせ、急須や湯沸は、うまみを一層引き立てるというわけです。

 良いことばかりですが、だからこそ、何千年も人類は銅器を使い続けてきた。
 藍染と同じです。
 存在に、理由がる。

 鎚起銅器は、修理修繕が利きます。
 今週も、古い骨董品のような銅器の修理を依頼され、簡単な物は、目の前で直していました。
 一度買えば、それを長く長く使えると言うわけです。

 島倉君は、催事に余り出ておりませんが、日本橋三越では私と一緒です。
 是非、彼の鎚起銅器を見てくださいませ。
 出来れば、お使い下さい。
 そして、簡単そうにやっている実演も、ご覧頂きたい物だ。

 

 私が彼の写真を撮ったり、取材をしたりしていると、「ブログですか?」と聞いてきた。
 「そうだよ」と答えると、「大川さんのブログに書いてもらうことが夢だったんです」なんてかわいいことを言う。
 間違いや、私の誤解でもあったら、指摘して頂戴。

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