朝青龍引退 孤独
この度の事件の責任をとって、朝青龍が引退しました。
29歳ですから、まだ若い。
そして彼は、外国人です。
高校生の時に来日し、記者会見でも「水も違う、言葉も違う」と語っていましたが、異国での生活の孤独はいかばかりかと思います。
たまたま、我が業界の後輩が横綱の相談相手でしたが、そんな孤独を語っておりました。
栃錦の自叙伝を読みますと、そこには横綱の孤独が書かれております。
横綱の地位というものは、横綱でなければわからない事があるらしい。
幸い栃錦は、同時代に吉葉山、千代の山、鏡里など、弱くて問題はあったけれど仲間がいたし、彼らと人知れず会って、孤独を癒していたと言います(※)。
その後は若乃花という、時代を共有する大横綱が生まれた。
そして彼らは、長く相撲界にいた上に、日本人だし、年齢も30を超えておりました。
朝青龍は一人横綱の期間が長かった。
若い外国人力士の相撲界を背負うその孤独は、想像を絶するものでありましょう。
彼に相撲界を任せてきた人達の問題は、何も語られていないようです。
そして、ただただ彼を責めた女性横綱審議委員についても。
※昭和36年中央公論社発行「栃錦一代」p174「横綱の哀楽」には
《晴れがましくはなやかに見える横綱も、内心はつねに緊張感をもちつづけて孤独なもの、そういう機微がかようのは横綱同士だけなので、話も大いにはずんで、ずいぶんにぎやかな会になったものです》
と、彼らの会合について書かれています。
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