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2011年8月 7日 (日)

阿波藍の自己否定

「阿波藍」とは、現在の徳島県で作られる藍染の原料のことで、決して藍染のことではない。

だから、「阿波藍染」などと言う言葉もない。

阿波藍が何故隆盛だったかと言えば、日本全国の紺屋(藍染屋)が阿波藍を使っていたからだ。

徳島県内(阿波の国内)だけの消費なら、全国に名を馳せるほどの隆盛などあり得なかった。

  

そして、日本中の紺屋が何故阿波藍を使っていたかと言えば、質が良いからだ。

その為に、阿波の藍師は、土作りから努力した。

二代目佐藤平助さんは、「藍というもんは十年、二十年作るうちに、藍の心がわかるようになり、愛情がわいてくる。ほだけんど、藍の気持ちは毎年、同じじゃないわの」と語った。

それは、阿波藍を使う紺屋も同じだ。

 

さて、ある都市のお客様が、徳島県の物産センターに行った。

藍染を買ったら、色が落ちて色移りがした。

「どうしてですか?」と聞いたら、「本藍染だからです」との答え。

「そんなはずはありません。本染めの藍染なら、色移りはしないはずです」とその方が言ったら、「え?」と絶句。

「調べてみます」と言ったけれど、未だに答えはない。

徳島県の人が、如何に藍染を知らないかという典型のようなお話しだ。
 
 


「阿波藍×未来形」プロジェクトというのがある。その概要には・・・

▽▽▽▽
「阿波藍再考 藍千」を合い言葉に、天然染料ならではの阿波藍の美しさと、歴史的文化的な物語性を併せて発信し、阿波藍を取り入れた新たな生活スタイルや価値観を創造するなど、「阿波藍」の魅力を国内外に発信する「阿波藍×未来形」プロジェクトを展開。
多彩なイベントを通じて、阿波藍の魅力を発信することにより、徳島が誇る伝統文化「阿波藍」を活性化させ、未来へと継承・発展させていく。
△△△△
 
こう書かれている。
 

さて、「阿波藍の美しさ」とは如何なるものか。

阿波藍とは、藍染の原料の事だと、私はしつこく書いてきたが、たぶん、「阿波藍を使った藍染の美しさ」と言いたいのだろう。

それは、徳島の藍師が表現してきたわけではない。

阿波藍を使った、日本中の紺屋がしてきたことだ。

 
そして、「天然染料ならでは」なんて簡単な物じゃない。

そんな物は、日本中に当たり前にあった。

何故、阿波藍を使うと美しい藍染になったかという視点が、全くない。

そこには、土作りから、栽培から、水打ちから、寝床の作り方から、藍農家と藍師の努力の賜のはずだ。

それも無しに、「歴史的文化的な物語」などあるわけがない。

  

「阿波藍を取り入れた新たな生活スタイルや価値観を創造」とある。

阿波藍とは、藍染の原料のことだ。

それを取り入れた「生活スタイルと価値観」とは如何なる物か。


それを前提に、この概要全てを読んでご覧なさい。

馬鹿馬鹿しい限りだ。

 

とくしま円卓会議H22,10,31「阿波藍の認証制度」】というのがある。

▽▽▽▽
さらに、「阿波藍×未来形」プロジェクトのキャッチフレーズとして作成した「阿波藍再考 藍千」のロゴマークを今後も活用していくため、商標登録手続きを進めており、このロゴマークを使用した「阿波藍製品」の認証制度についても関係者と協議中であります。
△△△△

こう書いてあるが、「阿波藍製品」とは何か?

阿波藍とは、藍染の原料のことですよ。

 

平成22年度文化立県とくしま推進会議・4大モチーフ全国発信事業【阿波藍の魅力~暮らしの中に息づく色(仮称)~(案)】というのもあった。

▽▽▽▽
1 企画意図
阿波藍の伝統を継承・発展させることを目的に、次の事業に取り組む。
①色の冴え、独特のにじみ、色むらなど天然染料ならではの阿波藍の美しさと歴史的文化的な物語性を併せて発信する。
②阿波藍を取り入れた新たな生活スタイルや価値観を創造する。
△△△△

「阿波藍の伝統」とは何かと言うことが、全く欠落しいますね。

 

徳島県立農林水産総合技術支援センターの資料に【藍に親しみ藍を楽しむ】というのがある。

ここには「阿波藍の歴史や藍についての情報は、こちらをご参照下さい」と書いてある。
 
内容を見れば、すくも作りも藍染も、何と簡単にできることか。

そこには、阿波藍を作ってきた藍師の努力の欠片も書かれていないし、それを使って素晴らしい色を出してきた紺屋のそれも、全く書かれていない。

 

このシリーズの「徳島の藍 2」をお読みいただきたい。

▽▽▽▽
これ(阿波藍の振興策)も調べてみましたが、やはり気になるのは、「阿波藍」と「藍染め」の混同です。

何度でも書きますが、阿波藍とは藍染めの原料のことだ。

阿波藍の振興とは、阿波藍を使う紺屋を増やせば良いことで、それ以外にない。

では、紺屋はどこにいるかというと、日本全国です。

藍染さへも徳島県の特産にしてどうしますかね。

阿波藍を、徳島の紺屋だけに使ってもらうことで良しとでもするのでしょうか。
△△△△

十数年前までは、徳島県でも阿波藍を使った栃木県の藍染が売れたのです。四国の松山でも高知でも高松でもです。

 

最近、藍染を販売していると、「徳島県ですか?」と聞かれるようになった。

藍染の本場は、徳島県だと思われるようになったのです。

藍染の歴史を見れば、実に馬鹿馬鹿しいことだけれど、原料の産地の徳島県が、公費を掛けてそれを宣伝しているのだからどうしようもない。

他の県や自治体に、そんなことをするところなんてありませんから、徳島県の一人勝ちだ。

そして、徳島県以外の藍染が売れなくなり、阿波藍を使う紺屋が減る。

 

日本の阿波藍を使う紺屋は、徳島県の「阿波藍振興策」によって滅ぼされ、阿波藍を使う紺屋が減り、事実減っていて、阿波藍が滅びに向かう。

これを阿波藍の自己否定と言わずして、なんと言いますか。

 

徳島県は、阿波藍を滅ぼすおつもりですかね。
阿波藍×未来形プロジェクト


 


 

 

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コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

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