日傘用の藍染
洋傘の中島さんが、日本橋三越本店で藍染の綿の日傘を売った。もちろん、紺邑の藍染。
数日後、そのお客様がまた入らして、「私、生涯でこんなに涼しい日傘は初めて。母にあげたいのでもっとグレードの高い物はある?」とおっしゃるので、シルクの藍染の日傘をお売りした。
ところが、これで紺邑の染めた藍染の日傘は売り切れ。
後は、私が染めない限り、藍染の日傘は出来ません。
予約もあるから、私は日傘用の藍染めの布を染めなければなりません。
日傘用の藍染は、特に紫外線に強くなければならない。
だから、目一杯日に焼きながら染めます。つまりは、天気の良いしか染められない。
ところが、ここのところ雨模様。
今日の午後、ようやく日射しが差したので、染め始めました。
シルクの広幅の10mの布。
写真でその大きさがお分かりになるかどうか分かりませんが、これを4枚、灰汁で建てた本建ての藍染で染めるのですから簡単じゃありませんが、分かって下さる方はそれ程多くはないでしょうね。
今日は下染めのみ。もちろん、何回も藍染めしている。
この布は一日水に浸けて灰汁を抜き、明日また洗い、天日で干し、今度は柄出しをする。
まあ、伝統的な工芸品は、おしなべてこれくらいの手間が掛かっていることなど当たり前ですから、別に苦労話をしているわけではない。
しかし、お分かりになる消費者は少ない。
何故なら、もっと簡単で便利な藍染があるからですが、そんなお話しは、書いても来たけれど、また、ゆっくりと書き続けて行きたいと思います。
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コメント
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日傘ですか、いいですねぇ~!
これ読んで、紫外線の強い沖縄ではめっちゃ欲しくなりました。。
そういえばずいぶん前に中島さんの傘に憧れて
「この傘が似合う経済力を持てるようになりたい」と思ったもんです。
一進一退で、まだまだ先になりそうですが・・・
この傘は沖縄ではかなり実用的!!
いつも生意気言ってすんませーん( ´艸`)
投稿: tami | 2011年9月25日 (日) 02時18分
tami君。私の藍染めで中島さんの傘となると、やはり、経済力がいるな。
それまで。待っているよ(◎´∀`)ノ
投稿: 紺屋 | 2011年9月25日 (日) 18時02分