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2011年9月12日 (月)

青い手

私の手は、写真のように青い。

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素手を液の中に入れて染めているからで、これがいわゆる紺屋の手だと思っている人たちがいます。
 

先日のフォーラムでも、私の手を見て「私は、紺屋の手が大好きです」と言って来たご婦人がいた。

どうも困ったもので、紺屋の手は青いと思っていらっしゃる。

実際は、青い手をした紺屋もいれば、青い手をしていない紺屋もいるのですよ。

 

そもそも染めは、道具を使うし、職人はそれを工夫してきた。

これは、生産効率を上げる為の機械化に通じるようだけれど、根本的に違う。

道具は、「本質を損なうことなく、生かす」ということが前提だからです。

反物を染めるときには伸子(しんし)を張る。糸染めなら「かぎ手」を使う。だから、手が染まるようなことは無い。
 

私のように、手が染まっている紺屋の方が少ないでしょうね。

手が青いなんていうのは、道具を使うという知恵を働かせていない証拠みたいなもの。

伸子を張って布染めをすれば、藍染めの液が痛まないから、私だって使いたい。

なぜ使わないで素手で染めているかといえば、染めるものが昔と違ってきたからです。
 
 
これは、広幅のウールの生地です。
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良くごらんいただければお分かりと思うけれど、ステンレスの物干し竿がしなっていますね。二本使っているのですが、それほどに重いのです。

伸子を張るどころではありませんから、素手で染めるしかない。

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甕も道具なら、広幅の布を染めるために大きな藍甕を作り、素手で染めるしかないから手が青い。

伝統工芸も時代とともに変わる、または変わらねばならないと言うのはこういうことで、本質は何も変わらないし、変わったら伝統もへったくれもありません。
 

手袋を使うという人がいますね。これには、二つ意味がある。

一つは、手が青くなるのがいやだから。藍と語り合うことが出来ない人だな。

もう一つは、手が荒れるからというもの。これは、今風の化学建ての藍染めっていうだけのこと。

  

国指定重要無形文化財技術保持者会会員で工芸会正会員という省ちゃんは、「藍染めは、液の中に入れたものだけが染まります。外に出てきたものを触っても、染まることはありません」と言った。けだし、名言だな。


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