藍甕とウールの広幅のお話し
藍甕は普通、一石五斗(約270リットル)の大谷焼です。
今、私が建てている藍甕は、幅50㎝奥行き50㎝深さ150㎝ですから、1125リットルの体積がある。つまり、4倍強の大きさ。
それを灰汁だけで建てていますので、使う灰の量が半端じゃない。
130リットルのペール三本をフルに使って、灰汁を取っています。
使う灰の量は、それぞれ12~13㎏。
自分で作ったものやご近所から頂いたものばかりですが、炭も入っていますから、細かく振るってから使います。
灰汁は130リットル全部使える分けじゃない。凡そ80リットル強でしょう。
おおざっぱに計算しても、十数回灰汁を取らないと、藍甕は一杯になりません(一杯にはしませんけれどね)。それも時期を見て、弱い灰汁も使うから、そう単純でもない。
一石五斗の甕なら、3回ちょっとで済む。
なぜこんな甕が必要かと云えば、今や生地染めは、広幅の時代だからです。ヤール幅で91㎝ですが、100㎝を超えるものなんてざらです(反物は38㎝)。
ウールの広幅は、130㎝くらいの物もある。大谷焼やペールの藍甕で染めることは出来ません。
これが、「日本でウールの広幅を染められる紺屋は、そう多くはない」と私が言う理由です(糸染めや、セーターなどを染めることは出来るでしょうけれどね)。
紺邑が染めて作っているウールのケープやコートは、世間にそうあるものじゃありません。ましてやアルパカなどおや、であります。
(写真はメンズウールコート)
恥ずかしながら、こういう事に、改めて最近気がついた(笑)。
今日の嵩上げの結果です。後一歩ですが、実によい感じだし、色も出ています。
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コメント
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業務連絡です。灰送りました。
投稿: narja | 2012年2月10日 (金) 22時15分
narjaさん、毎度ありがとうございます。
助かっておりますm(_ _)m
投稿: 紺屋 | 2012年2月11日 (土) 07時00分