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2012年7月24日 (火)

藍建て その様々

 藍を水溶性に変えて、染め液を作る事を「建てる」と云いますが、人それぞれ様々に方法があると思います。

 今年に入って、「阿波藍」というDVDを見ました。昭和30年~40年代初めの徳島県のすくも作りと藍染についての記録映画を編集したものです。藍草の栽培から刈り取りから藍ごなしからすくも作りから藍玉作りまで、大変勉強になった。
 ところが最後の藍建ての場面になって言葉を失うほど驚きました。すくもを鉄釜に入れて煮ているのです。これでは微生物が死んじゃうのではないかと、一緒に見た久留米絣の国指定重要無形文化財と話しをしておりました。私も彼も、長い間藍と向かい合って生きてきたけれど、すくもを煮るなどとは想像の他です。しかもその後、水を入れた藍甕にそれを入れている。この映画を作ったのはしっかりとした組織ですし、監修は大学の先生がなさっていますから、ウソがあるとは思えませんし、当時の藍建てを正確に記録した物だとは思いましたが、驚いた。

 手元に、昭和52年発行の「正藍染」(泰流社刊)という本があります。何気なく見ていたら、当時の藍建ての様子が書いてありました。
 その中に「すくもの溶解」という段があります。何だろうな?と読んでみたら、すくもを藍甕に入れる前段階の処理を云っているらしい。そこに、徳島県のやり方が出て来ました。

 「(前略)たとえば、徳島県の例では鉄製のすくも溶解釜を用い、水と苛性ソーダを加えてすくもを煮て、すくもの粒状を溶解させ、泥状のものにします。徳島県工業試験場技師・米川孝宏氏の報告によると、その釜の容量は二百リットルで、水を百リットル、すくも1.5俵(約八十五キロ)、苛性ソーダ1.5キロを入れ、攪拌しながら九十度以上で約一時間煮る、ということです」(p165)。

 次に「すくもの仕込み」に続いています。

 「徳島県で行われている方法によると、あらかじめ藍甕(一石五斗=約二百七十リットル入りのもの)に苛性ソーダを入れておきます。そこに水を半分くらいまで入れ、泥状に溶解したすくもを四個の藍甕に等分に仕込み、これをもう一度行うということです。つまり一度目に一.五俵(約八十五キロ)のすくもを溶解させ、藍甕に入れているので、結局、一個の藍甕には四十三キロのすくもを入れることになります」(p165~p166)。

 なるほど、私がDVDで見たとおりのことが書いてありました。驚いた私たちの方が無知だったというわけなのでしょう。

 その他の藍建て方法として、渡辺庄吉さんの方法も書いてありましたが、これは、私達の建て方と基本的に同じで、昔から「本建て」をなさっていたことが良く分かりました。こういう方の存在は、ありがたいことです。
 もう一つは、すくもを甕に入れた後、苛性ソーダを加え、熱湯を入れながら棒で搗くという方法も書いてありましたが、之は想像の内で驚くほどのことはありません。

 因みに私は、すくもと木灰の灰汁だけで建てております。
 この本の伝に従って説明しますと、「すくもの溶解」は、藍甕にすくもを入れ、そこにヒタヒタになるくらい熱した灰汁を入れて棒で搗き、一日から二日寝かせます。そして、身体を藍甕に入れて、足で踏んで良く良く練ります。

Humineri
これを「踏み練り」と称しておりますが、先に書いた無形文化財も同じ事をやっているそうです。

 渡辺さんは、湿らせたすくもを臼で粘りが出るまで搗き、さらに手で良く揉むのだそうですが、すばらしいやり方だと思います。私の場合、甕が大きいので、この作業は向きません。


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