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2013年6月 2日 (日)

石灰と貝灰、そして染め液の維持管理、っというお話し。

藍建てと染液の維持管理に、石灰を使う紺屋もいらっしゃるでしょうが、紺邑は石灰を使いません。何故かという話しは、5年程前に「貝灰と石灰」という記事に書きました。
 

さて、灰汁で藍を建てることは出来る。
その維持管理が難しく、その後、還元剤を使ってしまう事もある。
維持管理は出来るけれど、悩みは深い。
そんな話しを書きました。

藍染をなさっている女性が、私の所に相談に入らしたことがあります。
お話を聞けば、しっかりと本建てをなさっている。

ところが、維持管理にお悩みだった。
そこで、灰汁の使い方をお教えし、石灰を貝灰に変えることをお勧めした。
まあ、色々お伝えしたのだけれど、後日、こんなお便りを下さいました。
 
▽▽▽▽

大川さま

 

おはようございます。

先日、おじゃました林です。

その節は、貝灰を使用した藍の管理について、

いろいろ教えていただきありがとうございました。

 

10月3日(うかがった日):

帰って早速、木灰を注文。

とにかく藍が元気なかったので、今出来ること、ということで、貝灰を入れました。

 

10月6日:

貝灰で良くなったかな?というところで、染めてみたくなり、

麻の手織りの白生地をカットして染めてみました。

染まるには染まるのですが、灰汁の色が濃くでてしまい、

洗っても洗っても色がさえない・・・・

藍の液もさらさら、

ためしにpHを測ってみると、なんとの7.6! 水じゃん!

でも、色を出してる藍が健気。pH7.6でも色はでる。

ここで、木灰が到着し、灰汁投入!

しばらくすると、藍の華が少し上がってくる。元気になってきた?

藍の液も触るとぬるぬるする。

 

10月8日:

早速また、麻の白生地と麻糸を染めてみる。

どろどろで汚かった藍の液の灰汁も自然と改善されていて、きれいな青色が染まる。

洗ったとき、灰汁がさっと落ちる。

染め終わった藍の液に藍の華が咲いていた。

 

10月9日:

今日の方が昨日より、より藍がめは改善され、青がきれいかも知れないと、麻糸と麻の白生地を染めてみる。

8月の絶頂期に比べると、色に勢いはないけど、昨日と同じきれいな青色でした。

 

1012日:

色に勢いがないのは、私の気が急いてしまい、

藍が回復しないのに染めてしまったせい?

と、2日おいてみる。

藍の華がぽつりぽつりと浮き、表面も深い藍色!

いつに無く元気そう。

期待し、さっそく、麻の白生地と麻糸を染めてみる。

藍がめから出し、絞った糸がギラとエメラルド色に光る。

太陽の光の中で、きれいな青!

3回染め重ねてみる。

厳密に比べると、同じ青でも8月の最盛期のような勢いは無いように感じられます。

また、染め時間も少し長くなりました。でも落ち着いたいい青です。

ぬれている時、色は当然濃く見え、乾くと薄くなる。

その薄くなりかたが、夏より大きい気がします。

 

この何日トータルでは麻の白生地2/3反、3回染め、麻糸800g 3回染めました。

90Lのポリバケツで、この量はお疲れだろうと、貝灰と灰汁を少し入れました。

 

まだ、貝灰の量やタイミングはよくわかりませんが、

夏、散々染めて、いまだに濃い青が染まるのは、石灰をやめたせいでしょうか?

また、今まで、ないがしろにしてきた灰汁の大切さを知りました。

 

先日お会いしたとき、灰の話しをされていましたが、灰がどれだけ必要かわかりました。

今までだと、結局石灰で、アルカリの調整をするので、灰汁は藍を建てるときしか必要ではありません。嵩上げをしてしまえば、灰汁はおしまいです。

 

今後はバケツを増やして、灰汁を用意しなくては・・・・・

 

“貝灰を使った管理は石灰とは別物”。

この何日かで、少し考えが変わったと思います。

ものの本に、「発酵が進むとpHがさがるので、石灰を入れpHを調整する。逆に発酵が進まないときはふすまを入れる」と書いてありました。

今回思ったのは、発酵は元気な証拠!止めてどうする。

発酵をうながせるために、灰汁をいれてやり、貝灰を入れてやるのではなかろうか。

「みんな食べ物なんだよ」。は、このことなのですね。

 

石灰を使った去年は、少し染めると染まらなくなり、何日か空けてまた染める。といった感じでしたが、今年は染まらないという事がありません。

今も10月なのに大活躍です。あの泥のような蒅の中にどれだけの染料が含まれているのでしょうか?

それとも染料は作りだされるものなのでしょうか?

これからは温度も妨げになるでしょうね。

なんせポリバケツは外ですから。

 

私の藍がめと9日の糸の写真を添付しました。

 

先日は貴重なお時間をさいて頂きありがとうございました。

また、教えていただけたらありがたいです。
 
△△△△
 
添付されてきた糸の写真です。

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この方は、冬場は藍染をなさいません。
年を越した藍甕をどうしたら良いかという相談を、次ぎに受けました。
お教えしましたが、今年の春は、無事復活したと、わざわざ報告に来て下さった。
 
なぜ教えるのかと尋ねる人もいる。
少しでも本来の藍染を知っていただき、伝承する人が増えることを願っているからです。
 

(ご本人の了解を得て、公表させていただいています)

 

 

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