紺邑のホームページ

ネットショップ

  • G.i-Japan
    藍染を始める方。藍染をなさりたい方もお訪ねください。藍に関する資材とノウハウを提供します。 藍染の製品もあります。 その他にも、沢山そろえて行きます。

イベント情報

フォト

« 三越本店 日本の職人「匠の技展」 終了 | トップページ | まき割り »

2014年1月 7日 (火)

「褐色(かちいろ)」という色について

 あるネット上の記事に、「褐色(かちいろ)」が書いてありましたが、どうも知らずに書いているように思うし、誤解が広がってはいけませんので、それについて再び書いておこうと思います。

 それにはこう書いてある。

****

一見黒色ではと見紛うほど濃く染めあげた暗い紫みがかかった青の「褐色(かちいろ)」は

鎌倉時代の武将たちに、縁起のよい「勝ち色」として大変好まれたのだとか。

この独特の自然が醸す色が出せるのも、「すくも」で建てた藍ならでは。

****

 はたしてここに書かれたような色なのだろうか。

 
  
 褐(かち)は勝に通ずで、勝色とも書きますが、勝虫(とんぼのこと)同様、武士に好まれたのでしょう。これには実質的な理由もあって、藍染めは重ねて染めれば染めるほど糸や布を丈夫にしますので、鎧を繋ぐ糸に使われたのが褐色だった。
 実際私は、鎧を作っている人から、「褐色で絹糸を染められますか」と頼まれたこともあります。

 搗色(かちいろ)とも書きます。
 搗は「つく」と読むように、褐色に染める糸や布に光沢を出すために、それらを臼に入れ、杵で突きながら染めた。
 それを搗染(かちぞめ)と呼び、播州飾磨が良く知られていました(播州飾磨とは、現在の兵庫県姫路市飾磨)。

 江戸時代に書かれた「守貞漫稿」の19巻は、「染め織り」について書かれていますが、そこに「カチン色」として
 「(前略)又播州飾磨ノ里ニテ藍ノ濃染ヲカチ色ニスル也 カチ勝ヲ仮用シ祝シテ古ハ軍陣ニ之用 今ハ婚礼ニ用」云々と書いてあります。

 また、後白河法皇が編まれた「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」の中には
 「いかで麿 播磨の守の童して 飾麿に染むる搗(かち)の衣着む」ともある。

 

 さて、褐色(かちいろ)は如何なる色合いか。

 江戸時代後期の国学者斎藤彦麻呂が「神代余波(カミヨノナゴリ)」で言うには、「紺に染め、臼に入れてつき、それを何度も何度も繰り返して黒くなり、赤き光りが出た物」だと。

 そして、後白河法皇は平安末期の人。
 その頃にすくもの文化はありませんから、「『すくも』で建てた藍ならではの色」とは、言い難い。

« 三越本店 日本の職人「匠の技展」 終了 | トップページ | まき割り »

藍染め」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/194328/58900447

この記事へのトラックバック一覧です: 「褐色(かちいろ)」という色について:

« 三越本店 日本の職人「匠の技展」 終了 | トップページ | まき割り »