本染と化学染めの、二組のお客様
「暮らしまるごと展」の最中、藍染をなさる人たちが二組いらっしゃいました。
一組は、余りに熱心に私の話をお聞きになるから、「こりゃ、染めている人たちだな」と思って、少し内容を専門的にしてみると、案の定でした。
茨城県の「藍染保存会」の方々で、聞いてみるとちゃんと灰汁で建てて本染めをなさっている。
質問を沢山いただいた。
写真で私が胸に手を当てているのは、「気持ち」が大切なんだと言っているのだ思います。藍建ても藍染も、形や方法よりも、気持ちや心持が大切なんだと。
会員は随分たくさんいるらしく、6月に入ったら、皆さんで徒党を組んで乗り込んでいらっしゃることになりました。
しっかりと、本建ての藍染めをお伝えしようと思います。
もう一組は、藍染の会社に務めている若い女性たち。
「藍染を勉強に来ました」と素直に言うので、「私の話は、きっと毒ですよ」と、合成藍を使っているだろう会社の人だから申し上げた。
それでも「本当のことを知りたい」と熱心なので、ちゃんと説明させていただきました。
合成藍のこと、ハイドロサルファイトの事等々。それが如何に危険かと言うことも。
それでも、染めている人たちは、伝統を守ろうと一生懸命なのだそうです。
「伝統」を知らない悲劇がここにあるわけですが、今度はその染めている人を連れてくるという。
伝統の藍染めが存続の危機にある中、これも一つの流れだろうと思います。
伝える役割が、たぶん私にあるのではないかと思っています。
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コメント
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ご無沙汰です大川さん。大川さんにはその使命があるのだと思います。人は何かによって生かされてるという・・そんな思いをすることが、最近よくあります。自分の使命は全く判りませんが、今の大川さんの活動の全てが、歌を含めてその使命になってるように思います。今の日本人に求められる事は、照千一隅此則国宝です。国家は、政治家や官僚だけでは、成り立ちません。
投稿: 加藤公造 | 2014年5月28日 (水) 10時54分
加藤さん、コメントありがとうございます。過分なるお言葉も、ありがとうございます。
投稿: 大川公一 | 2014年5月28日 (水) 19時18分