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2014年10月 7日 (火)

藍草の栽培 無農薬・有機栽培について

 藍草の栽培で、無農薬を謳っているところがあります。それはそれで素晴らしいとは思います。しかし、問題が無いわけではありません。無農薬で育てたところで、作高悪く(沢山とれず)、藍の葉に含まれる藍分が少なく、色も良くなければ、その藍の葉は良いものとは言えないからです。ましてやそれを使って化学建てをしたのでは、無農薬の食材を、化学調味料と着色料と保存料などをたっぷり使って料理する事よりも良くありません。   

 私が、無農薬農法と関わりあって二十何年になります。それが、私の「本建て」の基礎になっています。その農法の基本は、土と植物を、人間と同じだと考えることです。藍の染め液を人間の身体と同じと考えることから、石灰も苛性ソーダも日本酒もブドウ糖も水飴もふすまも蜜もハイドロサルファイトも亜鉛末も使わない、いや、使えない、蒅(すくも)と灰汁とだけの藍建てになったわけです。

 この農法は、有機農法とは異なります。
 いわゆる有機農法は、決められた薬剤なら使っても構いませんし、その中には、土(人間の体)にとって必ずしも良くないものも含まれています。この辺りはあまり知られていませんが、気をつけなくてはならないと思います。

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工房の目の前に作った無農薬の藍草
サプリメントを作る人が分析したら「すばらしい」と。

 藍草の栽培の目的は、良い藍草を育てること。良い藍草とは、作高に優れ、葉に含まれる藍分(藍の量)が多く、青味に優れ、良く醗酵して維持管理しやすく、色の出が長持ちする藍草です。

 農法、つまり、どうやって藍草を育て作るかというのは手段です。無農薬栽培だろうが有機栽培だろうが、作高が上がらず(つまり沢山育たず)、藍の色も少なく色目も良くなく、醗酵する力も弱く、維持管理が難しく、寿命が短い藍草を作ったのでは、元も子もありません。
 たとえ化学肥料や農薬を使おうとも、優れた藍草さえ作れれば、何の問題もありません。

 ですから、無農薬や有機栽培で藍草を栽培するのは、それが最良の方でなくては意味が無いのです。

 つまり、無農薬や有機栽培で藍草を作っているという主張は、何の役にも立ちませんし、染め液を作る工程が薬品を使う化学建てであったり維持管理だったりすれば、無農薬や有機栽培は何の意味も持ちません。そこには、販売の戦略的効果があるだけです。

 それだけではなく、無農薬や有機栽培をしているという主張は、化学建ての藍染を正当化することにもなりかねません。「世の中は難しい」と、本建て正藍染が言っています。

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