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2016年2月29日 (月)

東京のマンションで藍建て・藍染

 東京のマンションの一室に、藍が建ちました。“すくも(藍)”と灰汁だけで建てた、伝統の本建てです。つまり、「地獄建て」。

Masuma
 石灰は全く使いませんから、元石、中石、止め石はありません。日本酒も使いませんし、建てる途中で“ふすま”も使いません。もちろん、ブドウ糖も水飴も使いません。建った後、仕上げに貝灰と“ふすま(小麦の皮)”を入れただけです。
 
 ただし、水を含め、使う材料の質には気を使っています。ちなみに“すくも”は佐野藍、木灰は氏素性の分かる紅葉樹を燃やしたもの、水は私の工房の地下水、貝灰は有明海産、“ふすま”は佐野市の畑で取れた小麦から取った新鮮なもの。
 
 なぜマンションの一室で藍を建て、藍染が出来るかと云うと、「本建て」は臭くないからです。建てたばかりは多少の臭いがしたとしても、強くもなく嫌なものでもありません。成長すると、直ぐに全く感じなくなります。
 
 これが、石灰を使ったり、日本酒を使ったり、ふすまを使ったりすると、例え灰汁をつかった醗酵建てでも匂うでしょう。ましてや、苛性ソーダをつかえば尚更だし、還元剤の化学建ては、部屋中に臭いが充満して、生活するのも大変かも知れません。染め液の質は、臭いで分かります。
 
 本建ての良いところはもう一つ、染液が長持ちします。私の今使っている藍甕も、建てたのは昨年の11月。そして今は成長し、落ち着いて、素晴らしい青味になっています。この青味は、本建ての結果として出てくるものです。
 
 染まるものも違います。ここでは何気なく絹を染めていますが、化学建てでは気を使うことでしょう。

Silk
 
 ウールも、綿を染めるように染まります。染め液の温度を上げたり、pH調製をしたり、染めたウールを酢酸水に浸けたりといった面倒など何もありません。綿を染めるように、ウールが染まります。 
 
 そして、色落ちも色移りも気にすることはありませんし、肌触りも石灰を使った藍染とは全く違います。
 
 藍を建てたご本人は、私の工房に足繁く通い、藍を染め、藍建ての基本を経験し、私のネット上にある藍建てと藍染の説明を熟読し、藍建ての心を知り、藍と語りあったからこそ建ったのだと思います。
 
 そしてもう一つ、私が藍建てを語れるようになったことも大きいと思います。一昨年までの私なら、教えることが出来なかったでしょうし、事実、当時の私の影響を受けた人たちは、藍建てにもう少し苦労をしています。
 
 さて、良くやりましたが、本建ての維持管理は、建てることの100倍難しいと昔の人は云いますから、まだまだこれからです。それがまた、面白いのです。

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コメント

はじめて、兵庫の大森と申します。
藍色はずっと好きでいつか私も体験したいなと長年思っていました。そしてマンションで藍建てのサイトを見つけて、挑戦できるかもと思っています。
これから色々調べはじめるとこですが、差し支えなければ、色々ご相談させていただくこと、叶いますでしょうか?

>大森さん
コメント拝見。
調べて出来るものとは思えませんし、メールやメッセージで教えられることでもありません。
講習会を開催しておりますので、そちらに参加なさることをお勧めします。

植物染料で織物用の毛糸を染めています。外国生活が長かったせいもありますが、藍甕を持つことはありませんでした。あえて持たなかったとも言えます。3年前に20年ぶりに日本に帰国し、日本の風土で改めて染めを見直したいと思っています。藍無くしては語れない日本の染め。藍は奥が深い。紺巴さんの文章を読めば読むほど、地獄建てに惹きつけられていきます。まず発色が違う。初めて友人に見せていただいた時は、驚きました。是非修行させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

申し遅れました。先日お電話させていただいた宇都宮の石川です。友人に紺巴さんを紹介いただきました。彼女とは最近知り合いました。彼女の名誉のためにも、、弟子ではありません。だいぶ誤解があったみたいで、話し方が悪かったと反省しています。月曜にお訪ねしますので、よろしくお願いします。

石川史江さん。コメント今拝見。お返事遅くなり申し訳ありません。月曜日、お待ちしています。気を付けていらっしゃいませ。

因みに当方は、「紺巴」ではありません。「紺邑」です(笑)

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