「本建て」と「化学建て」について。
藍の染め液を作ることを「建てる」と言います。現在はいくつも方法があって、藍染に興味を持つ人たちを混乱させていますが、日本の本来の建て方を、「本建て」と言います。
藍(インディゴ)は、藍草の葉の中に入っています。
茎や花にはありません。

日本では、藍草の葉を乾燥させ、それに水を打って醗酵させて堆肥状態にした「すくも」と呼ばれるものを藍染の原料に使ってきました(杵で搗いたものが藍玉)。

“すくも”は醗酵していますから、微生物が住んでいます。
堅い木(雑木)を燃やした灰からとった灰汁(あく)を使い、“すくも”に住んでいる微生物を利用してもう一度醗酵させ、水に溶けない藍(インディゴ)を水に溶かす方法が「本建て」です。

化学は、この方法を分析しました。
灰汁で建てた染液は、強アルカリ性だった。
藍は酸化して発色します。だから、染液の中は無酸素状態。
だから、強アルカリ性で無酸素状態の溶液を作れば、どんな藍でも水に溶けるとわかった。
強アルカリ性の溶液を作るには、苛性ソーダか石灰があれば良い。
溶液から酸素を取るには、化学的には還元(酸素を取ること)させれば良いわけですから、還元剤を発明し、簡単に無酸素状態の液が出来るようになりました。
これによって、どんな藍でも簡単に染液が作れるようになった。これが、化学建てです。
強アルカリ性の溶液を作るには、苛性ソーダか石灰があれば良い。
溶液から酸素を取るには、化学的には還元(酸素を取ること)させれば良いわけですから、還元剤を発明し、簡単に無酸素状態の液が出来るようになりました。
これによって、どんな藍でも簡単に染液が作れるようになった。これが、化学建てです。
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