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2016年3月16日 (水)

灰汁(あく)

 「灰汁」は、「あく」と読みます。
 
 木を燃やした灰を、容器に入れた熱い湯に入れ、激しく撹拌し、しばらく放置すると灰は底に沈み、残った上澄みが「灰汁」です。
 
Img_0007
 
 写真はちょっと解かりづらいけれど、一番灰汁です(少し使った後です)。 これを使いきり、また同じ灰で二番目に取った灰汁が二番灰汁。その順で、三番、四番・・・となります。
 
 木は基本的に広葉樹、又は堅木です。例えば、楢(なら)、椚(くぬぎ)、樫(かし)、栗(くり)、桜(さくら)、桑(くわ)、椿(つばき)などなど。杉、松、檜、藁などの灰は使えません。

 藍の染液に使う液体は、全て灰汁です。 

 藍はすくも(蒅)と灰汁だけで建てます。これを、本建て、または地獄建てと云います。しかし、簡単には建ちません。良いすくもと良い水と良い灰が必要だからです。

 醗酵は、維持管理しないと止まります。それにも、基本的には灰汁を使います。その上で、貝灰と麩(ふすま・小麦の皮)を使いますが、貝灰を入れるときには灰汁も足し、麩(ふすま)は灰汁で炊きます。
 
 いかがでしょうか。灰汁は伝統的な藍染にとって、絶対的な存在なのです。
 
 灰を使うのが当たり前だった頃は、灰は田畑の肥料に、灰汁は洗濯洗剤、植物染めの所謂媒染材、灰汁巻などの食材などに使われて来ました。
 灰汁を取り切った灰は、焼き物の釉薬となった。
 
 このように、現在言われている「循環型社会」の典型が、日本の灰の文化にあります。
日本は昭和40年代以降、経済成長を目指し、大量生産大量消費の時代となり、日本の良き伝統は失われつつあります。その象徴的な存在として、灰の文化はあるように思います。
 
 
追記
 今の日本には、木灰がありません。だから、灰汁がとれません。これが、伝統的な藍染にとって、最大の問題であり続けてきました。十何年も前は、「すくも(蒅)は買えるけれど、灰は買えない」と、ちゃんとした藍染をしている人たちは云っていたものですが、現在は、すくも(蒅)も灰も手に入り難くなりました。
 
 灰は、買えるようになりました。しかし、高いです。それは仕方ないとしても、質の問題が出てきています。灰に針葉樹や建材が混じっていたら、何をしても藍は建ちません。
 私も紺邑を始めた頃、灰が足りなくてある銘木屋に頼んでいたら、突然建たなくなりました。質が悪くなったのです。

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コメント

(・∀・)イイ!勉強になりました。私が18日から中國に出張、必要の灰もさがします。竹の灰がどうですか、私の竹炭製造工場で集めます。家にも少量の竹灰があります。4月7日かえります。お元気で!

小西さん、ありがとうございます。
竹の灰は藍建てには使えませんし、竹を燃やしてどれほどの灰ができるでしょうか(笑)
現状、竹のチップが農業に使えるようです。
これは、ビジネスチャンスだと思います。

こんにちは。
はじめてコメントさせていただきます。
紺邑さんの「白花小上粉は江戸の初期から・・・」という天然灰汁醗酵建ての話が
好きで何度も読み返し、そこからブログを拝見しております。
灰汁について質問です。
杉や松などの灰汁が使えないのは含まれる金属イオンの関係ですか?
灰汁はphがものをいうわけではないのですね。
蒅の産地によってもかわってきますか?
そして単一の樹木の灰汁がベストなのでしょうか?
突然で沢山の質問失礼いたしました。
よろしくお願いいたします。

佐々木さん、コメントありがとうございます。
先ずは「白花小上粉は江戸の初期から・・・」ではなく、昭和初期ですが、なにか勘違いなさっているのかもしれません。

ご質問にお答えします。

>杉や松などの灰汁が使えないのは含まれる金属イオンの関係ですか?<

単に、醗酵しないということです。それが金属イオンかどうかは解かりません。

>灰汁はphがものをいうわけではないのですね。<

phは結果にすぎませんが、結果的にphがものをいうと云えないとは言えません。私はphを計りませんが、結果的にはphは高いと思います。

>蒅の産地によってもかわってきますか?<

変わらないと思います。何故かと云えば、本質的な問題だからです。

>単一の樹木の灰汁がベストなのでしょうか?<

これについては書いてきた通り、単一である必要はありません。

以上、取り急ぎお答えいたしました。

紺邑 様
お忙しい中ご丁寧にありがとうございます!
江戸、書き間違いでした。昭和として理解しております。好きと言っておきながらお恥ずかしい限りです。失礼いたしました。
堅木とそれ以外のpHの高さ(おそらく1~2前後の差)や、杉、松などの油分等々などに作用されるのかもしれませんね。
スクモと灰汁のみでの藍建てが本来のものなのでしょうが、紺邑さん以外で見たことがありません。非常に興味深いです。
ぜひ工房に伺って染めながらお話しをお聞きしたいです。
その際は「江戸初期の佐々木です」と自己紹介させていただきますので、片隅に置いておいていただけたら嬉しいです 笑
ありがとうございました!

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