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2016年3月 6日 (日)

合成藍

 18世紀の中ごろにイギリスで産業革命がおこり、蒸気機関が発明されて、鉄を溶かして機械や船や機関車を作った。そのエネルギー源が木材だったために、イギリスの鬱蒼たる森林がなくなりかけた時に、石炭からコークスが発見されて森林の伐採が止んだ。

 コークスの発見は、かの競馬に名を遺すダービー卿だそうだけれど、石炭からコークスを取った後に、コールタールという副生成物、つまりゴミのようなものが残った。

 何か入っていないかと調べてみたら、インディゴが見つかり、抽出して合成したのが「合成藍(人造藍)」です。ほぼ100%の純粋なインディゴですから「インディゴピュアー」と呼ばれています。

 

 合成藍も藍(インディゴ)には違いがありませんから、水に溶けません。しかし、純粋なものですから醗酵させられません。そこで人類は、苛性ソーダと還元剤を使った「化学建て」を発明し、インディゴピュアーを使った藍の染液が簡単に作れるようにしたわけです。
 これによって、藍染の世界も大量生産が可能になりました。

 19世紀の終わりごろ、この合成藍が日本に輸入されました。

 藍草の葉にある藍の成分は、多くても3~4%と云われています。化学的には100%の方が優れていますから、日本中の紺屋(藍染屋)が合成藍を使用するようになり、藍草の相場が大きく崩れ、合成藍は、瞬く間に日本の伝統の藍染を滅ぼしました。

 私の住む佐野市も藍の産地でしたが、明治42年には全ての藍農家が消えました。
 日本の資本主義の父ともいわれる渋沢栄一は、藍玉をあつかう藍商でしたが、彼が生まれ育った埼玉県の深谷市周辺も、瞬く間に藍農家が全滅し、その後の畑を使ったのが「深谷ネギ」です。

 

 ところが、当時の藍染の消費者たちは本物しか知りませんから、合成藍の藍染を拒否してしまい、藍染そのものが日本から消えた状態になってしまいました。なぜかといえば、合成藍は色が黒いし、臭いし、色が移るからです。

 現在の藍染は、ほとんどが合成藍で作られていますが、日本人は本物を知りませんから、黒くて臭くて色が移る藍染を、なんの疑問もなく使っています。そして、細々と生きている我々本染めの世界が、また滅ぼされようとしています。

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