板藍根(ばんらんこん)
藍草は古来、薬草として使われてきました。根からとる薬を「板藍根(ばんらんこん)」、葉を「大青葉(だいせいよう)」と云います。
先だって、薬剤師の方が藍染をなさりにいらっしゃいまして、藍葉の薬効の話になりました。彼女は「板藍根(バンランコン)がインフルエンザにいいんです」とおっしゃった。藍草の根が原料の漢方薬。我が家に良くいらっしゃるご近所の方も、「板藍根」をお持ちだった。
藍草の葉と根の効用については、『臨床中医学概論』(張瓏英 緑書房)に以下のように書いてあります。
【大青葉(だいせいよう)と板藍根(ばんらんこん)】
性味:苦,寒。
帰経:心・胃経。
〔薬理作用〕大青葉は葉であり板藍根は同一植物の根である。
清熱,涼血,解毒作用がある。実験室ではチフス菌,溶血性連鎖状球菌,大腸菌,赤痢菌,黄色ブドウ状球菌に抑制作用が証明されている。
近年,ウイルス疾患に相当強力な効果が認められ注目されている。特に流行性耳下腺炎では,大青葉,板藍根単味の煎剤でよく効果をあげている。中国では「板藍根錠剤」として一般に市販されている。
その他インフルエンザ,日本脳炎,麻疹,肝炎等にも有効であるとしばしば報告されている。
現在では,ウイルス疾患の治療に際し,欠かせない薬剤となっている。
なるほど、食あたりのような胃痛に良いわけです。私による身体実験済みだ。風邪薬やインフルエンザなどの流行性感冒にもよろしいらしい。中国でサースがはやったときに、板藍根が売り切れたという話を、風のうわさに聞いています。
これは放っておけないか(笑)
そう考える人が多くなってきているようで、藍の葉のお茶やらなんやらと、出回るようになりました。
蒅を作らず、藍草の様々な効用を利用しようとして本末転倒になっているのは、産地と云われる某地方で、そんなことよりも蒅を作ってもらいたいものだ。
ちなみに薬剤師の方は、藍畑から藍草を根っこから引き抜いて持って帰られました。「板藍根」を作るのだそうです。
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