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2017年10月 2日 (月)

阿波藍 「手板法」

 以前、「正藍染」という本をご紹介したけれど、記述全てが信頼に足るというわけではありません。私は藍染に限っては専門家だから、記述の内容が解ることもあるのです。
 
 例えば、草木染めから見た藍染には誤解があるし、現在と同じように、臭いにも色落ちにも色移りにもそれはある。
 昭和52年だからといって、そこに正しい記述があるなんて事は決してありません。
 
Img007 
 それはそれとして、面白いと感じるところを参考にしながら書いてみますと、佐藤平助さんのところに「手板法」というのがある。出来上がったすくもの、質の良し悪しを見る方法です。
 
・まず、少量のすくもを掌にとってみる。
・それにほんのわずかな水を加え、小さなヘラでよく練る。
・その作業の間に、感触、色、ねばりなど、さまざまな角度から染料としての適度を見て行く。
・最後に、そのすくもを手板紙と呼ばれる加賀和紙にすりつけ、日射しにかざして、藍の色相を観察する。
・良質のすくもは赤味をさしていて、手板紙にすりつけると、茶色にしかならない。
・逆に、質の落ちるすくもは青くなる。
 
 書けば簡単だけれど、当然のことながら、経験と熟練、勘が必要となる。
 
 これを書いているルポライターの中谷寿志氏は、「不思議なことだが、赤味のあるすくもほど、鮮やかな藍色に染まり、青いすくもほど藍が落ちやすい」と書いていますが、藍染めの液も、全く同じです。
 
 そして佐藤平助さんはこういった。
 「苦労させた藍がすくもになると、その汁は赤黒い青味になるわの。ほんなすくもは糸を染めて、すぐに水で洗うても、落ちんがの、藍が。ほんでも無理に温度を上げて、日数をけちったすくもは、紙につけると真っ青で美しいが、糸を染めると、水に落ちて染まらんわの。藍に問うんだの、水を食いきったときに。そのとき、藍は答えてくれる。水が多かった、少なかった、というように」。
 
 藍は、作り手の心を現すと、佐藤さんはおっしゃる。作り手が不機嫌なら、出来たすくもも不機嫌だと。母上が亡くなり、心乱れたとき、郡上八幡の渡辺庄吉さんという紺屋さんに「今年のすくもはいつもと違う」と言われたと言います。
 
 渡辺さんは、我々紺屋にとっては大先輩ですが、「すくもを藍甕の中に入れるとき、無造作に放り込んだときと、大切に入れたときとでは、染め上がりが違う」とおっしゃったそうな。
 
 紺屋として、肝に銘じなければいけません。

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