藍染の干し方
藍染は天日干しです。これは必須。
動画に映っているのは、100年以上も前の大麻を織った布をストールにしたものと、現在の広幅の麻布と、毛糸を天日干ししているところです。
藍染の手順は、染めるものを十分に精錬し、水洗いし、灰汁に浸け、染め液に浸け、洗い、天日干しし、水で洗い、灰汁に浸け、染め液に浸け・・・の繰り返しです(それぞれに方法はある)。以前こう書いたら、染める度に毎回洗うことを不思議がった徳島の方が、私が大阪の百貨店に出展していた時、わざわざ私の話を聞きに来てくださったことがありました。
なぜ天日に干すかというと、藍染めが強くなるから。そして、発色も良くなる。それは、毛糸も同じ。
ウールは一般的に陰干しですが、藍が糸の表面に付いていますから、紫外線にも強いウールになるわけで、その上に藍染が強くなるのですから言うことありません。
もう一つの理由は、灰汁を天日で焼く為です。染め上がった後、仕上げの一つとして灰汁抜きをしますが、天日で焼いた灰汁は良く抜けるのです。
天日干しした麻布です。茶色に見えるのが灰汁。
この麻布を灰汁抜きします。
灰汁が抜け、見違えるような透明感と色合いになりました。

この麻布を灰汁抜きします。

灰汁が抜けることを「あか抜ける」というと以前紹介しましたが、つまりは青みが冴えて明るくなり、透明感を増すわけです。これもまた、天日干しをする理由でもあります(ご自宅で選択した場合も天日干しです)。
(そもそも藍染めは野良着などの労働着に使われてきた。作務衣は坊さんが外で働くときの衣のこと。それを陰干ししててどうしますか。)
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