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2019年5月10日 (金)

藍染の色移りと色落ちについて その2

 手元に「染織と生活」№10(1975年 染織と生活社)があります。その130pに、藍染めの摩擦堅牢度について書いてある。「藍染の最大の欠点は、摩擦堅牢度が弱いことである」と。調べてみた結果、濃色の藍染めの摩擦堅牢度は、乾式で三級、湿式で一~二級だった。

 私の藍染めの堅牢度は、ホームページに表示しているけれど、それは濃い綿地二種類ですが、双方とも、乾燥で五級、湿潤で三級です。摩擦堅牢度に、結果的に強い。

 この違いはどこから来るのだろうか。

(その1から続く)

《藍には色移りする性質がありません。その性質を生かした藍建て、染めをすれば、色移りはありません。
だから
 ・藍染めに色移りは無い。
・色落ちは心配ないし、落ちないように染めるのが職人。》
 
 こう以前書いた。
 
 しかし現在、藍染のほとんどが色落ちして色移りする。私の尊敬する永六輔さんは、亡くなる前ラジオで、「藍染は色落ちがして色移りするものだ。それを承知でどうやって着こなすかが粋というもの」と語っていたくらいなもの。
 
 本来、藍染めに色移りする性質は無い。なぜなら、藍(インディゴ)は水溶性ではないからだ。水に溶けないのだから、水で洗って色落ちするはずもない。色落ちしなければ、色移りもしない。これが道理。

Numai2私の工房で染めたバンダナの藍染。
この柄を、糸や輪ゴムや板など、一切道具を使わないでだす。
色が移らない藍染めだからできること。
ある工房で、私が同じことをやったら、無地になった。


 古来藍染は、醗酵という手段で水に溶けない藍(インディゴ)を水に溶かし、布や糸を染め液に浸し藍を付け、その藍を染め液の外に出して酸化させて、元の水に溶けない藍に戻すことによって藍染めをしてきた。だから、色落ちもなく色移りもない。
 
 しかし、藍の醗酵は簡単ではない。手間も掛かるし、辛抱もいるし、勘もいるし、技術もいる。だから、紺屋という専門の職人仕事だった。
 
 それを化学は簡単にした。藍を還元によって簡単に水に溶けるようにした。つまり、還元剤の使用によって、醗酵させなくても、藍を水溶性に変えることが出来るようになった。
 
 この還元剤なるものは、ハイドロサルファイトでもブドウ糖でも水飴でも蜜でも、なんであろうと染物に藍と一緒についている。だから、水で洗うと藍を還元させてまた水に溶かしてしまう。だから色落ちする藍染めになる。そして、他の染め物に藍が染まる。つまり、色移りする。
 私の父は、何でも試すのが好きで、「おい、藍染めを洗った液にハイドロ入れると、藍染めが出来るぞ」と私に語っていたものだ。
 
 色落ちして色移りする藍染めの極端なものは、合成藍(インディゴピュアー)を苛性ソーダとハイドロサルファイトで還元させて染めたもの。代表例が剣道着。洗っても洗っても色落ちがするし、肌も青くなる。
 私の息子も剣道をしていた。白い道着を私が藍染めしたが、色落ちも無ければ汗臭くもならなかった。なぜなら、それが本来の藍染めの特徴だからだ。
 
 本来の醗酵の藍染でも、藍の定着が悪ければはじめ色落ちする場合がある。だから、色落ちしないように染める必要がある。それが、職人の仕事。しかし還元の藍染めは、定着させることが出来ない。だから、何をやっても色落ちする。色落ちが止まるのは、何度も何度も洗った後だ。
 
 醗酵させているつもりの藍染めが、最近見える。それは、醗酵と還元を一緒にしているからなのだが、その話はまたいつか

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