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2019年6月 5日 (水)

藍染の名人上手

 このブログは「紺屋の白袴」ですが、これは「こうやのしらばかま」と読む。辞書を引くと、「医者の不養生」と同じようなこと、「忙しくて自分の物は染められない」という解釈があるはずです。 父はこの言葉を、「白い袴をはいて染めても袴が汚れない名人の仕事のことだ」と云っていました。藍染はこの言葉通り、静かに丁寧に優しく染めるもの。

 戦後の日本の藍染に多大な貢献をなさった、岐阜県郡上八幡の渡辺庄吉さんは、「昔は、カメで糸染めるにも、一銭銅貨(今の十円玉みたいなの)を、浮かして染めるくらいの技術がなけりゃ、上手な染屋といわれなんだんや。というのは、アクにはじきがくるような強さがなければいかんということと、もう一つは、その液が動かんように染めるのが、本当の上手ということや」(泰流社「正藍染」)と語っています。

 「その液が動かんように染めるのが、本当の上手」というくらい、藍染は、静かに丁寧に優しく染めるもの。私は実際に染めながら、そのことを教えています。しかし、そんな事、直ぐに出来るわけじゃない。私だって完璧じゃない。染め液の表面を動かさないように染めることが大切だと知り、それにはどうしたら良いかを考えながら藍染めすることが肝心なのです。


Aizome1
染めるものが多様になり
伸子が使えないものが多くなった。

Aizome3
私の知り合いの染め師は、
「藍に気づかれないように、静かに染め物を甕に入れる」と表現しています。
その心持が大切。

Om2_1536-2
3mの広幅の布染を、染め液の中で天地しています。
つまり、ひっくり返しているわけですが、この程度の動きに抑える努力をする。
泡立ちがあってはいけません。
これを一回で三四度します。
ちなみに、私が名人というわけではありません。

 渡辺庄吉さんは上記したことに続けて、「けど、十円玉が本当に浮くわけはない。浮かした人がどっかにいるように思って、自分はまんだ浮かんから下手や、と思って染めてきたもんなんや。」と語っています。

 全くその通りで、それが藍染の修行というもので、「出来た」「分かった」と思ったとたんに、その人の腕は止まるでしょう。

 私が長い間、自分の建てた染め液に人が触るのを嫌がっていた理由の一つは、人は静かに染めることが出来ないからです。特に、草木染をしている人は染め方が粗い。今は、静かに丁寧に優しく染めることを教えてから、体験をしてもらう事にしています。わたしも、教える努力をしている訳です。

 何故、静かに丁寧に優しく染めなければならないか?それはまたいつか(明日かもしれません)。

(渡辺さんは、昨年の秋にお亡くなりになったと、渡辺さんをよく知る染め師から聞きました。心からお悔やみ申し上げます。合掌)

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