建った染液と腑抜けな私
毎度の事だが、講習会終了後の私は腑抜け。
それでも午前中、昨日宇都宮に泊まったという愛知県の講習生の一人が来たので、彼女の手を借りて仕上げをした。
午後の今、腑の中に腹も入っているらしく、飯も食えず、染め場に群馬と千葉からのお客様がいらっしゃるが、お相手も出来ない。ご勘弁の程を。
昨日の講習会の最終日、小さな甕は仕上げをしたのだが、大きな甕は色は出たにせよ弱く、寝かせることにしたのだ。そしてこの講習生は、一日経った染め液の姿が気になって、宇都宮にいらっしゃるご子息に送ってもらって来たのだとか。
一日寝かせることにした300ℓの甕。
今日、最後の仕上げをした姿。
見るべきは「とろみ」。
藍の華は無い。
あってはいけないのだ。
こちらは45ℓの小甕。
こちらは昨日、仕上げをしておいたもの。
当然、藍の華は無い。
ティッシュで色を見て見た。
しっかり色が出ているけれど、染め始めるには、あと数日寝かせたほうが良い。
私が伝えているのは、蒅(すくも)を灰汁だけで建てる「本建て」。これを「地獄建て」ともいう。石灰や日本酒やふすま等は入れない。当然、糖分や蜜も入れない。
有機物と石灰のアルカリで醗酵させた染液との違いは、色、堅牢度、寿命、染める意味など。
本建ての染め液で染めたものは、美しく青く、堅牢度が強く、寿命が長く、藍染めに「何故染めるのか?」という意味を持つ。
右は一昨年5月に建てた甕。
2年3カ月経っている。
今、お客様が糸を染めている。
年を取っているから染め液の表面がベージュいろ。
これが美しい青に変化する。
左は二ヶ月。
本建てとしては、新しい染め液。
だから表面は、紺。
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