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2020年3月16日 (月)

良い蒅とは

 某地方の蒅(すくも)の質の低下を嘆く知らせが、全国から入ってきている。大ベテランの本建てをしている染め師からも、「色が出ないし、色が直ぐになくなる」と嘆きの報告があった。「藍サミット」なんてやっている場合では無い。根本を考えないと何とか藍はダメになるぞ!と、私は云いたいが、誰も声を出さない。それには理由がある。

  良い蒅とは何か?

 醗酵が良く、藍分(らんぶん・蒅に含まれる藍の量)が多く、色が青味に優れて良く、長持ちをする蒅が良い蒅。 

 良い蒅作りの最初の条件は、良質な藍草を作る事。その為には土作りが肝心。土作りは一朝一夕にできるものではない。育てる藍草の特性を知り、畑の土と親しく接しなければできないものだ。だから、藍農家という専門家が必要なのだ。それが昨今、激減している。
 
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我が家の藍畑
 
 藍草を育てるだけなら、難しいことはない。野菜を作っているある人に言わせると「容易」の範疇だそうだ。だから、誰でも育てられる。ネットを見ても、藍草を育てているという人は多い。
 
 
 しかし、良い蒅にするには、育てれば良いというものではない。ここが、藍農家が減り、藍草が手に入り難くなっている今、「蒅が出来れば良い」という考えの藍師には分からなくなっているようだ。だから、藍農家を大切にせず、やめられたらその辺りの専門ではない農家に依頼して藍草を作ってもらう事になる。 
 
 某地方では、高校生が藍草を栽培し、蒅作りをしている。そんな蒅は、プロの使用に耐えない。だから長い間、専門家たちが必死に良い蒅を作ろうとしてきた。
 
 先ずは、高校生にできる、専門の藍農家でなくてもできるという意識を捨てなければ、某地方の蒅の質は上がることはないだろう。そんな意識があるから、藍農家を大切にせず、専門家ではない農家に依頼して質の悪い藍草を作る事になるのだ。そんな藍草で、質の良い蒅など出来る訳もない。
 
 次に、蒅の作り方がある。それは、葉の乾燥のさせ方、茎と葉に分ける作業、藍こなし、水打ち、切り返し、寝かせ方などだ。それらの一つにも手を抜けば、良い蒅は出来ない。それは、結果に現れる。
 
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講習生たちの蒅作り見学
 
 結果を知るのは、藍師ではない。染め師、紺屋だ。つまり、我々だ。良い蒅かそうでない蒅かの判断は、我々染め師・紺屋がするもの。だから、上記したような嘆きの報告が私に入ることになる。では、何故その嘆きが藍師に届かないかと云えば、染め師や紺屋が、藍師に何も語らないからだ。何故語らないか。ここに、難しい問題がある。

 今、日本中で蒅作りが始まっている。少なくとも私に関係している藍師たちは、良い蒅を作ろとしている。
 土作りからの成果が、そのうち出てくることだろうが、某地方の方々、是非、基本に帰っていただきたい。そして、良い蒅を作っていただきたい。こころからそう思うが、手抜きを覚えると、元に帰れない事も私は知っている。
 
 ある農家は、「一度辞めたら農家は戻らないよ」と語った。問題は深いのだ。

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