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2020年4月

2020年4月29日 (水)

薬草染め

 藍染めは古くから「薬草染め」と言われてきました。何故かと言えば、藍草が薬草だったという当たり前の理由からです。

 日本でも売っていますが、「板藍根(ばんらんこん)」という漢方薬があります。読んで字のごとく、藍草の根から取った生薬の事です。

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 板藍根は、インフルエンザなどのウイルス性の流行り病に良いとされています。

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 中国でSARSが流行った時、売り切れて手に入り難くなった聞いています。またぞろ新型コロナウイルス騒動で、板藍根は品切れの様子。

 ではどのくらい効くのか?というと、漢方の先生によれば、ホームランというほどではなく、二塁打くらいだそうです。だから、決定的な治療薬になるわけではありませんが、ウイルス性の流行り病にかかった時の初期に飲むと、病気が重篤化しないという事があるとおもっわれます。多分それは、歴史的に人類が経験した事なのでしょう。
 
 

 「藍葉(らんよう)」という漢方薬もあります。読んで字のごとく、藍草の葉からとった漢方薬。これは痛み止めと云われています。

 私がまるで食あたりのような腹の痛みに襲われたとき、藍草の乾燥葉をお茶にしてガブガブと飲むと、そのお茶が通ったところから痛みが消えて行くのを体験しました。それも数度。

 仄聞するところによると、四国では、お遍路さんに「おもてなし」というのをするそうですが、讃岐ではうどんを御馳走し、阿波では藍草の乾燥葉を差し上げたそうな。道中腹の痛みが起こった時をおもんばかっての事なのでしょう。

 歯の痛みにも良いようです。ある会合で、家内の目の前の人が歯の痛みを訴えていたので、たまたま持っていた藍草の乾燥葉を差し上げ、その方がタダ噛んでいたら、痛みが消えたとおっしゃっていました。


 書けばまだまだあるでしょうが、藍草は薬草だった。だから藍染は「薬草染め」。では、藍染の効果や如何に?
 いつぞや「藍染が存在する理由・意味などについて」と書いたことがあります。藍染も、人間が使い続けてきたのには、それなりの意味や理由があった。それは「薬草染め」だったことにも由来するのでしょう。

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